【企画概要】
「性教育が必要だ!何かアクションを起こしたい!」と思っている人たちの想いを形にして学校現場に届けるプロジェクトです。クラウドファンディングを通じて支援者から集まった資金でオリジナルコンドームの「びわこんどーむ」を制作します。「びわこんどーむ」のパッケージには、自主練用を含む2個の男性用コンドームと生徒たちを正しい知識に導くための専門家情報リンク集のQRコードが付いています。完成した「びわこんどーむ」が、支援者の想いをのせて、この配布に協力していただける全国の高校教員・外部講師・PTA役員の方々を通じて全国の高校生1万人に届けられます。【学校教材受付は終了しました】【プロジェクトの原動力は】
日本の性教育の当たり前を学校現場から変えたい。
「習うより 触って慣れよう コンドーム」
教えない、考えさせない、向き合わない、日本の性教育の当たり前を変えたい。
自分が学びたかった性教育を次世代にはちゃんと届けていきたいという想いがこのプロジェクトの一番の原動力です。
私は性について学習する機会がないまま高校の保健体育教員として教える立場になりました。いわゆる「性教育」は保健教科で学習する内容の中のトピックのひとつです。約20年間の保健の授業実践してわかったことは、性に関する価値観はみんな違っていて、それを話し合って擦り合わせてみるとかなりおもしろい!そして大事なことに気づく!何でこんなこと誰も教えてくれんかったんやろう?ということでした。これは進学校や夜間定時制、進路多様校、そしてケニアの生徒たちと対話を重ねてきた現在、どの場所でも同じことが言えます。その時々で生徒たちからもらった言葉の数々が私へのアドバイスとなって次のステージへの原動力を生み出し現在に至ります。
2010年にケニアでエイズ予防巡回教室を40校以上の学校に届けました。
帰国後の2012年からは本業の合間のライフワークとして滋賀県内の中学高校を中心にHIV/AIDS講演会(人権教育/国際理解/キャリア/SDGsなど)を行っています。
2015年からはすっかりお馴染みとなった『コンドーム指装着ペアワーク』を導入しています。そのきっかけをくれたのもひとりの女子高生の感想でした。「コンドームの重要性はよくわかったけど、コンドームって一体なんですか?」というものです。
それ以来、必ず実物を見せて、時には触って、指にかぶせ合って、風船のようにふくらませたり破ったりしてもらってますが、その授業を振り返るたびにタブー意識を作っていたのは大人の方だけだったと思い知らされます。しかし、この講演会を10年以上続けてきても中高生たちがもっている知識には一向に変化がみられません。
私自身はこの講演活動をライフワークとして続けていますが、もうそろそろコンドームのことくらいは知っていて当然の、その先にある、コンドームをはずしてもいいと思える ‟ パートナーとの関係性 ”についてもっと話ができたらと思っています。
50分間の授業も、90分の講演会も大事ですが、自分で実物のコンドームに触れる5分間はもっと大事です。その身体性を伴なう体験は、そこにいる全員を一瞬で当事者にします。新たな価値観が生まれるきっかけとなります。それが集団で行なう学校教育の場となれば、目に映る同年代の反応のすべてが彼らの学びになります。そこから始まる正解のない自己探究の旅。
この「びわこんどーむ」というきっかけが、彼らの人生に与える影響は計り知れないと今まで出会ってきた生徒たちが教えてくれました。そして、ちょっとしたきっかけでアクションを起こしてくれる人が日本にはたくさんいる、ということもわかったので、分野を超えて繋がることで本当に性教育が変わる活動にしていきたいと思っています。
「びわこんどーむ」と聞けば、みんなが笑顔になります。 「びわこんどーむ」の前では、大人も子供も、立場も役職も、性別も関係なし。「性」を前に、みんな同じひとりの人間です。
この活動を始めて以来、想像以上にたくさんの声援や励ましのお言葉をいただきます。不思議なことに、ストップをかける人が誰ひとりとして現れないのが不思議です。大人になった教え子たちから感謝されることも少なくありません。みんな必要だと思っていたけれど、きっかけがなかっただけなのかもしれません。そんな想いのある皆さんたちを「びわこんどーむ」によって繋げるプロジェクトにしたいと思っています。
「性」の文字通り、誰もが心のままに生きられる社会の土台づくりを、このプロジェクト達成によって、皆さんと共にスタートできることを心から楽しみにしています。
2021年 春
びわこんどーむプロジェクト代表 清水 美春